ともの日記

限界大学生の日常

BTS推しの文化論を読んで

どうも

 

今日は部屋の片づけをしていて、ついでに本を読んでいました。

 

 

大学の卒論で推しについて書こうかと思い、BTSが好きだったのでBTSの推しの文化論という本を買っていて、家にあったので読んでいました。

 

 

 

k-pop嫌いな人も多分いると思うのですが(私も昔はそうでした)これを機にk-popってすごいんだなぁと思ってもらえたらいいなと思います。

 

 

第一章 BTSとARMY

自分を愛するということを学ぶということ、これは今日明日といった課題ではない。むしろこれこそ、あらゆる修行のなかでもっとも精妙な、ひとすじではいかない、究極の、最も辛抱のいる授業なのだ

ニーチェツァラトゥストラはこう言った

 

BTSの歌詞やMVにはニーチェユング心理学の概念が盛り込まれている事が多いです。

作詞はメンバーのRM、J-hope、SUGAでされることが多いのですが、特にリーダーのRMはかなりの読書家でこういったニーチェや、心理学の本や、村上春樹などの本も読んだりしています。彼の知識が作詞にかなり影響を与えていると個人的に思います。

私はk-popを好きになるまでは、k-popはちゃらんぽらんなこと言ってるんやろなーなイメージしかなかったので知ったときは驚きでした。すごく意味が込められています。

 

第二章 二面性のある世界

BTSにはONという曲があり、「狂わないでいるためには狂わなければ」という歌詞があります。この歌詞についてRMが語っている言葉があります。

 

RM

「狂わないでいるためには狂わないといけない、僕はこれを一番言いたかったんです。  何かひとつのことに狂うということ。ほんとうにこの世の中、この複雑なこの世の中には人にとって不条理なことが多いから。だから、そんな世の中で気をしっかり持って生きていくためには何か一つのことに狂わないといけない。自分の仕事であったり、あるいは自分の趣味であったり、何かに狂いながら生きているこそ、狂わずにいられると思ったんです。」

 

これを読んだとき私はハッとしました。何かに狂ってたかな?と

今からでも何か狂えるものを探そうと思いました。

 

またAm I Wrongという楽曲の中でも「このおかしな世界でおかしくなっていないことがおかしい」という歌詞が出てきます。このような「世界は狂いながら回っている」という認識がBTSのベースにある世界観です。

 

 

人間に秩序を与えることで社会は形成されるのですが、それは本来の欲望を押さえつけることであり、そうすると人間は常に秩序をはみ出すような過剰な衝動を抱え込んでしまう。BTSはそのような衝動を「Dionysus」という楽曲で歌っています。

こういう認識をアイドルの人気と両立させていることに驚かされます。

 

 

第四章 BTS精神分析

かつて精神分析家のラカンは快と不快が入り混じったような両儀的な気持ちの良さのことを「享楽」と呼びました。それは生と死の狭間でこそ生を実感するような、過剰な喜びを求めることです。

分かりやすい例としてはエベレストといった危険な山を登る登山家たちは生と死の狭間でこそ強烈な生きる実感を得るのです。死のリスクが高い環境に身を晒すことは生の保存反応に矛盾する行為です。しかし、リスクの波打ち側に身をおくからこそ人生を燃やすような快が全身に走り、その快を求めてさらなるチャレンジを続けるのでしょう。

つまり、ひとは「好きなこと」だけでは生きていけない。むしろ、好きと嫌いの間にある過剰なものでこそ自分が生かされる。

 

こうしたアンビバレントな歌詞もよくBTSの中に出てきます。

 

 

第五章 BTSと資本主義

暇と退屈の倫理学から引用されて説明されてます。

浪費と消費という二つの概念が対比的に使われている。浪費というのは人間が豊かに生きていくためには常に過剰なものが必要である精神分析的な考え方が基礎になっている。すごい派手な服を時々着てみるとか。そういうことが人生のときめきとして大切なんだよと

このような浪費のいいところは浪費してしまえばいったん満足するところです。いっぱいおいしいものを食べたらそれで満腹になる。満ち足りた気持ちになっていっときでも幸せになるのです。

それに対して消費は今これが流行ってるから買うとか、インスタ映えするからここで写真をとって投稿していいねをもらうなどの行動。イメージ先行というか観念ばかりを受け取っている。浪費と違って消費はいつまでもお腹いっぱいにならない。あの子がインスタ映えする投稿をしたら私は負けじと映える投稿をしないと。終わらないからいつまでも真の勝者にはならない。買ったり現地に行ったりしてるわけだから満足できるはずなのに浪費したみたいに満足できない。体を使った体験のはずなのに、観念が先回りして体験になりきってない。だからいつまでも物足りなくてもっともっと消費を強いられる。結果消費が止まらなくなる。

 

と浪費と消費の説明がされています。

この考え方を引用してBTSの楽曲「GOGO」は消費ではなく浪費。贅沢を通して過剰に享楽して満足しちゃえと言っていると説明されてます。

 

第6章BTSの現在地

この章が私にとって一番驚きでした。Butterについて語られています。

これはただのダンスチューンだけではなく、アジア人のヘイトに対する鋭いカウンターのものだと。

ButterのイメージカラーがイエローだったことについてRMは「僕たちは黄色人種じゃないですか」と発言した。また同曲でもホワイト、ブラック、イエローの三色を基調にしながらさらにグレーやレインボーカラーの衣装を披露していることから人種に関わる差別問題に対するメッセージの隠喩として受け取ることは難しくない。それを踏まえるとこの曲の冒頭の歌詞「smooth like butter」バターのように滑らかに(バターはイエローのメタファー)さらに途中のSUGAの「hate us〜!」(オレたちを嫌ってみろよ!)のコーラスはとても挑発的に響く。

軽快なダンスチューンとして楽しむのが王道ででも実はレイシズムに対してのカウンターも含まれている。

 

Butterはダンスの曲だと思っていたので驚きでした。

 

 

 

 

こんな感じです。難しい...深夜に書いたのでうまくまとめれてもないですが...

以上です